「長野県障がい者の地域交通網を考える会」 
 
        事務局  長野県長野市7−1−7長野県社会福祉総合センター2階
                 NPO法人ポプラの会 内(026-228-3344)   
             長野県障がい者の地域交通網を考える会 代表 山本悦夫 
  構成団体  長野県ピアサポートネットワーク
長野県精神保健福祉連合会(NPOながのかれん)
せいしれん
きょうされん長野支部
長野県障害者運動推進協議会
社会福祉法人 長野県身体障害者福祉協会
社会福祉法人 長野県視覚障害者福祉協会
社会福祉法人 長野県聴覚障害者福祉協会
長野県手をつなぐ育成会
NPO法人長野県相談支援専門員協会
長野県精神保健福祉士協会
社団法人 長野県社会福祉士会
社団法人 長野県作業療法士会
長野県精神保健福祉ボランティア連絡協議会
NPO法人ポプラの会  


 

精神障がい者の交通運賃割引の取り組みについて 

○精神障害者保健福祉手帳所持者と交通運賃割引 

 皆さんはご存知でしょうか。福祉サービスの「三障がい一元化」をうたった『障害者自立支援法』が平成18年に施行されてからも、身体障がい者、知的障がい者には認められている公共交通機関の運賃割引が、(ごく一部を除いて)精神障害者保健福祉手帳所持者には認められていないのです。

 JRをはじめ高速道路やタクシー、船舶、また長野県内では私鉄全社の運賃(路線バスは除く)等の割引が実現していませんでした。そのため、作業所等で受け取る工賃よりも作業所に通所する運賃の方が高くなってしまったり、病院に通う交通費にも困っている方もいました。
(例:月10回の通所で8,000円の工賃を受け取るために、長野電鉄の運賃11,600円を支払っている。)

精神障がい者は障害者基礎年金と作業所等のわずかな工賃で生計を立てている方も多く、交通費の割引は切実な願いとなっていました。
   

 ○「長野県障がい者の地域交通網を考える会」の発足

 この問題に対して、平成21年度にNPO法人ポプラの会を中心とした長野・北信圏域の関係者が「障がい者の地域交通網を考える会」を作り、当事者476人に対するアンケートを実施しました。この結果をもとに長野電鉄株式会社に対して要望活動を行いましたが、進展が見られませんでした。

これを踏まえて、「考える会」で話し合った結果、この運動をもっと広く全県的な取り組みにしていこうとの結論にいたりました。
広く三障がい関係団体に呼び掛け、平成22年9月に長野県内の15の障がい者関係団体などで構成する「長野県障がい者の地域交通網を考える会」が発足しました。
   

○当事者の取り組みの第一歩・署名活動

 「交通網を考える会」では、このような精神障がい者の現状を多くの方に知って欲しいと、平成23年1月9日(日)に、長野市のJR長野駅前でチラシ配布、募金、署名活動を行いました。この署名は、長野県知事宛に「県内の各交通事業者に対し県知事より文書で要請して頂くこと」と、「全国一律の制度化がなされるよう、関係各省庁及び国会に意見書を提出して頂くこと」を要請したものです。

 参加者は10時半〜2時半迄、当事者・支援者約30名で駅前の交差点周辺4か所に分かれ、厳寒の中交代でマイクを握り、大きな声で道行く人に呼び掛けました。そして、多くの方が足を止めて署名をして下さいました。

「精神障がい者の交通運賃が半額になっていなかった事を初めて知りました。」「頑張ってください!」との声に、また「署名用紙を持ち帰り協力します。」と帰られた方々に励まされました。当日は913人分の署名が集まり、カンパ金も多くの方に頂きました。

 そして、1月29日の署名締め切りまでに、事務局には県下各地から署名入りの封筒が山のように寄せられ、励ましの電話がかかったり、中にはわざわざ署名のために事務局まで足を運んでくださる方までいらっしゃいました。
   

○平成23年2月3日、署名を手に阿部長野県知事に陳情

 当日は、14,745筆の皆さんの実に心のこもった、ずっしりと重い署名を、県知事に直接お渡ししました。(後日の署名総数は15,167筆に達しました。)話題の中で何回か、根拠となる情報、数値を問われましたが、数字に表れない精神障がいの大変さも訴えてきました。

知事がおっしゃった「県の第3セクターの『しなの鉄道』は割引にならないかね。」との言葉で雰囲気がどっと変わり、虹を見た思いをいたしました。阿部県知事がこの署名陳情で動いてくれることを多いに期待したところです。
   

○平成23年2月16日、長野県議会議長に請願書の提出

 この日までに、知事宛と同様の請願書に対して県議会全会派の紹介議員に署名・捺印を頂き、県議会議長に請願して参りました。議長は非常にこの請願に対して理解を示し、「割引は当然の事ですね。」とおっしゃいました。大変心強く思いました。
   

○平成23年3月11日、県議会本会議にて全会一致で請願書採択

 県議会議員の皆様のご理解を頂き、『精神障害者保健福祉手帳に基づく交通運賃割引に関する支援を求める請願書』が、全会一致で採択されました。
  

○平成23年5月、全国署名実施

 「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会」が主体となって、衆参両議院議長宛の全国署名を実施、同年10月に第一次締め切りとし、全国で約15,000筆が集まりました。

12月5日、山本代表がこの署名を携えて各政党の議員要請を行いましたが、自民・公明・民主の3議員に受け取ってもらえず、共産党議員にまとめて受け取ってもらいました。

○平成23年7月21日、しなの鉄道株式会社(本社)に精神障害者精神保健手帳所持者の運賃割引に対する要望書の提出

 地元選出の県議会議員さん3名と、当事者(約15名)、支援者、計約30名で、しなの鉄道株式会社 代表取締役社長 浅海猛様宛 の要望書を携え交渉に参りました。しなの鉄道側からは8名の方が同席してくださいました。「精神障害保健福祉手帳所持者1級から3級まで運賃の割引をしてほしい」と要望いたしました。

一時間強に亘り当事者から切実な生活の実態、思いが語られました。「三障がい一元化の流れの中で、精神障がい者だけが同じサービスを享受できないのはよしとしない。社内で検討させていただきます。」との専務さんよりのお答えでした。そして、待つこと半年以上。
   

○平成24年3月1日、しなの鉄道・精神障害者手帳所持者に運賃半額割引が実現!!

 しなの鉄道株式会社代表取締役社長 浅海猛様より、平成24年1月30日付正式文書で「精神障害者保健福祉手帳所持者の運賃割引について」と題する通知が届きました。

「障害者自立支援法における『三障害一元化』の趣旨を踏まえ、旅客運賃は、平成24年3月1日から現行の身体障害者割引、知的障害者割引に加え、新たに精神障害者割引を設定させていただく。」との内容でした。

「長野県障がい者の地域交通網を考える会」にご参集いただいた当事者・支援団体15団体と、県下15,000人を超える署名による運動がついに実を結びました。皆様のご支援・ご協力の賜物です。どうもありがとうございました。
これを足掛かりに更に、この運動が全国的に広がっていくことを目指します。
  

○平成24年4月29日(日)、しなの鉄道運賃割引実施を記念して、しなの鉄道を利用して小諸懐古園にお花見ツアー

 お花見は天候にも恵まれ、長野、篠ノ井、小諸、佐久から全員で27名の参加を頂きました。信濃毎日新聞の記事にも掲載して頂きました。まさに花も心も満開状態で非常に楽しく過ごさせていただきました。蕎麦を戴いた茶屋の2階席も、懐古園入園も、団体で行くにはちょうど良い人数で、お花見日和で心に残る記念の日になりました。 

○平成24年7月、長野県タクシー協会(加盟121社)にアンケート実施

 障害者手帳所持者(三障がいすべて)に対する運賃割引制度の有無等を伺いました。集計結果を各社に送付、精神障害者保健福祉手帳所持者に対しても実質的に割引を実施して下さっている会社に対しては、お礼状を添えました。

運賃割引が陸運局によるタクシー業の許認可とも関わるため、直ちに一斉割引をしていただくのは困難と判断いたしました。今後の運動の方法をさらに検討いたします。 

○平成25年1月、「公共交通機関利用状況アンケート調査」実施

 県内在住の精神障がい当事者を対象に、公共交通機関等の利用状況を伺うアンケート調査を実施しました。関係各医療機関・福祉等関係事業所の皆様には、ご協力をいただき誠にありがとうございました。

3月15日をもって締め切らせていただきました。
県内各地から820通に及ぶご回答をいただきました。今後の長野電鉄・上田交通・アルピコ交通等との交渉のための大切な資料として活用させていただきます。

平成25年9月6日(金)第九回長野県障がい者の地域交通網を考える会にて交通運賃割引制度
  の充実に向けアンケート調査まとまる。 
詳細はクリックしてください 
(PDFファイル)

○今後に向けて

 長野電鉄・上田交通・アルピコ交通に対し、長野県障害者運動推進協議会とポプラの会の協働にて割引制度実現のための交渉を行います。

 JRについては、全国的な運動が必要であることから、「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会」を中心に、運動実績のある北海道の当事者会「すみれ会」様などとも連携して、国に訴えていきたいと考えています。

 今後の国の動向(厚生労働省が実施した精神障害者の交通割引に関する実態調査等)も視野に入れながら、この運動が結果を出せるよう全力で取り組んでいきたいと思います。長野県下での運動が、全国的な運動に繋がっていくことを願っています。

 今後とも、皆様のご支援・ご協力をお願いいたします。
  

 
 
 平成29年12月吉日
 関係者各位 
 「精神障害者保健福祉手帳所持者のJRの運賃割引を目指して」

○公共交通機関利用状況アンケート調査への協力お願い

        詳しくは、こちらのPDFファイルをご覧ください。
 
 
 精神障害者保健福祉手帳所持者のJRの運賃割引を目指して

〇交通機関の利用状況についてのアンケート H.29.12.12~H30.2.9

         詳しくは、こちらのPDFファイルをご覧ください。
 
 
 交通機関の利用状況についてのアンケート
 H29.12.12〜H.30 .2.9

〇長野県障がい者の地域交通網を考える会 実施(事務局 NPO法人ポプラの会)

         詳しくは、こちらのPDFファイルをご覧ください。
 
 

〇その他(自由記述)

        詳しくは、こちらのPDFファイルをご覧ください。
 
 

〇 (1918年)平成30年6月26日(火)
   JR東日本長野支社へ運賃割引の要望活動(交渉)に行ってきました。

  
   経過報告です。

     長野県障がい者の地域交通網を考える会(事務局NPO法人ポプラの会)

           詳しくは、こちらのPDFファイルをご覧ください。
 
 
 

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